ある文系の思議録

公共政策大学院→国家公務員3年目です。

野菜たっぷりタンメン(大盛)がめちゃめちゃ幸せだった話

美味しかった。否、美味しくはなかったのかもしれない。

美味しいという言葉でひとくくりにしてしまうにはあまりにも超越的な存在であったからである。

 

 

野菜たっぷりタンメン

 

言わずと知れた日高屋の1メニューである。

 

事の始まりは、数時間前の立ち眩みである。 

一人暮らしを始めたは良いものの、食費がどうしてもかかりすぎてしまうという現実に直面した。

そこで、出来る限り食費を節約するために、取った行動が以下の3つである。

①野菜ジュースを買い、朝は1杯飲む

②1時間かけて業務用スーパーに行き98円で5玉入りのうどんを大量に買い昼ごはんにする

③近くのスーパーに深夜行き、半額になった弁当を食べる

 

朝,野菜ジュース 昼,うどん(19.6円) 夜,弁当(300円)+インスタント味噌汁

 

このような食生活を6日続けた時に、立ち眩みをし、ふと思った。野菜が足りていないのではないかと。申し訳程度に野菜ジュースを飲んでいるものの、パッケージをよく見ると、果汁が半分くらいを占めていた。野菜不足は改善しなければならない問題であると感じた。

 

そこで、野菜を取ろうと思った。自炊する気力や、設備はない。かといって出来合いのサラダなどを買ってしまっては高くつく。手軽な値段で、出来れば炭水化物も摂取でき、かつ家の近くにお店がある------一見すると叶うはずのない理想の条件に見える。オタクがアイドルに恋をしているのと状況的には似ているのかもしれない。そもそも、考えてみれば今までの人生で野菜が多く含まれる食材を外食時に食べたことはあまりない…もう野菜は摂取できないのか…めまいに苦しみながら生きていくしかないのか…そんな絶望の淵に沈んでいた時、一筋の光が、目の前に差し込んできた。

 

日高屋

 

そうだ、日高屋だ。日高屋なら徒歩10分くらいで行ける上に野菜たっぷりタンメンという見るからに野菜が多そうなメニューがあるではないか。

数少ない候補から、野菜たっぷりタンメンが選ばれたのである。

 


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胃袋に染みるなんてものではなく、この時間が永遠に続けばよいのにと思ってしまった。

 

食後、日高屋を出て近くにあるスーパーに向かった。近頃は毎晩、300円以下の弁当を買っていたため、入店すると同時に足が弁当コーナーに向かいそうになった。しかし、そこで思い出したのである。もうお腹は満たされているーーと。

 

満腹ではあったものの、まあ少しは見てやるかと思い、弁当売り場に足を運んだ。

心なしか、昨晩食べた味噌チキンかつ弁当(287円)が野菜たっぷりタンメンに圧倒的敗北を喫し、泣いているような気がした。

弁当コーナーに並ぶあまたの300円弁当を、スカイツリーよりも高くから見下ろしたような気分で一瞥し、颯爽と弁当コーナーを通り過ぎた。

 

目当ての牛乳を購入し、スーパーから家までの帰り道も考えることはお腹の重さと、それを与えてくれた野菜たっぷりタンメンのことであった。感謝しかない。

 

もし、野菜たっぷりタンメン教なる宗教があったならば、間違いなく入信しているだろう。

 

 

野菜たっぷりタンメンに栄光あれ